けものフレンズは、いいぞ

オタクなので唐突にアニメの話。

今週、けものフレンズの最終話が放送され、木曜の23時〜ニコ生で最終話が放送されました。

最初は「うわなんだこのアニメは」という感じでした。

ものすごく端的にいうと、
主人公の「かばんちゃん」がサーバルキャットのフレンズ「サーバルちゃん」と、
ガイドロボットの「ボス」がジャパリパークと呼ばれる舞台を旅していく、という内容です。
1話は彼女たちの出会いが描かれています。

しかしあまりにも世界観が独特で、
出て来るキャラクターも(けものなので)発言内容の知性が高くなく、
子供向けアニメのような印象を受けました。(言うまでもなく深夜アニメです)
※あとでわかるのですが、ものを知らないだけで頭が悪いわけではないです。

語り部のようなキャラクターもいないので、
世界観の説明はされません。
多分、普通に見たら1話で見るのをやめる人が多いと思います。
実際多かったみたいです。
個人的には「これは待望のクソアニメだ!」と思って別の方向にテンションが上ったのですがw
しかし、結果的にはこれは大きな間違いでした。

話が進むごとに徐々に主人公のかばんちゃんが何なのか、
そしてこの世界がなんなのか、という謎が少しずつ明らかになっていきます。
また、基本的には何も展開が進まない回がない。
先に進めなかったとしても何かが明らかになる、
など、よくよく考えると話の骨格は思ったよりも大分しっかりしていました。

気がついたらリアルタイムの放送以外にも、GYAOの無料配信、
ニコ生の一挙放送(2回)、ニコ生の配信、
述べ4周ぐらいは見てることになりますねw
まあ厳密に言うと全部そんなに見てるわけではないですけど。
逆に1話だけ10回以上見てたりとかw
ということで、最初はネタのつもりで見てたんですが、気づいたらドハマリしてました。
世間では3話か4話ぐらいからガッと盛り上がって、
「なんでこんな盛り上がったんだろう?」と訝しげに見ていました。

なぜこんなにハマったのか

俺がハマってしまった理由は何か、
と考えてみたのですが、いろいろ考えてはみたものの
明確な理由はわかりません。
元々色物扱いで見てたんですが、
いきなり流行りだしたので色んな情報を調べながら見てみたら、
色んな要素が散りばめられていることだったり、
キャラクターの作中での行動・発言や性格、デザインが、
元になった動物の特徴や行動にしたがって作られていることだったり、
思った以上に細かく作られてるんだな、というのがわかって面白くなったからですかね。
気になったら調べてしまう性格なので、
そういうのがあるとハマってしまいますね。
そういうところを見ると各キャラクターがとても魅力的に見えました。

なぜこんなに流行ったのか

自分に関してはそんな感じですが、果たして何故流行ったのかを考えてみます。
あくまでも個人の見解で、そこまで明確な根拠があるとは言えません。
そして、決してこれが全てではないことを先に補足しておきます。

否定されない優しい世界

この作品の特徴として挙げられるのは、
登場人物が基本的に他人を否定しない
ということだと思います。
特に顕著なのが、かばんちゃんと一緒に旅をするサーバルちゃんの言動。
1話では

へーきへーき!フレンズによって得意な事違うから!(1話)
かばんちゃんはすっごいがんばりやだから、きっとすぐ、何が得意かわかるよ!(1話)
すごいよ!(1話)
わたし、あなたの強いところだんだんわかってきたよ!きっと素敵な動物だよ!楽しみだね!(1話)

2話以降も

かばんちゃんってすっごいんだよ!(2話)
かばんちゃんはすごいんだよ!いっつもこうして楽しいこと思いつくの!(6話)

※参考
サーバル(けものフレンズ)とは (サーバルとは) [単語記事] – ニコニコ大百科

などなど。
1話ではかばんちゃんは自分が何なのか、何が得意でどういう動物なのか、
すらわかっておらず、自信なさげなシーンが目立つのですが、
それにも関わらず、ダメだとは全くいいません。
2話以降は他のフレンズに彼女の凄さをひたすら伝えるようになります。

このように、何かを否定されることがないので、
暗い空気になることがほとんどありません。(終盤少し展開があるのですが。)
見てる側としては安心するとともに、明るい気持ちで見ることが出来ます。

芯の通った構成

基本的には話の流れがわかりやすく、
最終話まで筋の通った話が展開されています。
最後の2話ぐらいの展開は最初から決めていたそうですね。

ただ、圧巻は「こんな要素まで後に使われるの!?」といった、
伏線の回収の仕方でした。
1話でサーバルちゃんがかばんちゃんに木登りを教えるシーン、
紙飛行機を使ってかばんちゃんがセルリアンと戦うサーバルちゃんを手助けするシーンなど。
まだ他にもいくつもあるのですがキリがないのでこのへんでw
11話でかばんちゃんがサーバルちゃんに教わった木登りを活かして
サーバルちゃんを助けるシーンとか、
最終話でサーバルちゃんがセルリアンの気をそらすために、
かばんちゃんが飛ばしているのを見た時に初めて見た紙飛行機を飛ばすシーンなど。

こんなとこまで使われるのかー、というものがありました。

(話の作り方のことはどこかの記事で見た気がするので、
 出典として貼りたかったのですが、見つけられず断念。
 もし見つけたら後で貼ります)

動物の紹介が魅力的

他にも特徴的なこととして、
各話(最終話除く)でフレンズの元になった動物について、
実際の動物園・施設・団体などの職員・メンバーにインタビューを行い、
その内容の一部をCMの前後に流す、
ということがありました。
1話で世界観に戸惑っているところで流れたのが、
下記のしんざきおにいさんのインタビューでした。
※記事内に他の回のインタビューのものについても記載されています。

しんざきおにいさんとは (シンザキオニイサンとは) [単語記事] – ニコニコ大百科

突如として流れたこともそうですが、
またこれが喋るのにあまり慣れていないせいか中々癖のある内容でした。
よく聞くと、
職員さんがその動物の魅力について存分に語ってくれているので、
内容は普通に面白かったりするのですが。
毎回20〜30分インタビューしたとのことで、
当然その中のごく一部なので、どこかでノーカット版がまとめて聞きたいですね。

しんざきおにいさんのインタビューについては、
放送されたものよりも長いものがこちらで聞けます。

しんざきおにいさん (とうきょう) ディレクターズカット版 by まるぽ アニメ/動画 – ニコニコ動画

ネット上では
「わーい!」「すごーい!」「たーのしー!」「君は◯◯なフレンズなんだね!」
といったフレーズが爆発的に流行りました*1が、
各話のこのインタビュー、
特に1話のしんざきおにいさんのインタビューの虜になった方は多く、
流行の一助になったのではと思います。
かくいう自分もすっかりインタビューの虜ですね。
若干ゃ草

あとこのコーナー聞いてると動物園行きたくなるんですよね…。
しんざきおにいさんは多摩動物公園で実際にサーバルキャットのお世話をされている方なので、
実際に見た方も多分多数いるでしょう。
東武動物公園が高頻度で登場してたので、幼稚園の時以来に行ってみたくなりました。

それにしても、希少な動物の取材のためにベリーズ動物園とか、
ビッグキャットレスキューに取材するのは本当に凄いですね…。

ED曲が魅力的

やや主観も入りますが、2話で流れてきたED曲にやられた、という方も多いようです。
無料で見られるところにないので参考映像が貼れないのですが、
EDに使われているのは様々な理由で廃園になった遊園地の画像。
最後の観覧車がプリピャチ遊園地(チェルノブイリ)のものだったりして、
放送中様々な憶測を呼ぶことにもなりました。

EDはぼくのフレンドというタイトルで、みゆはんさんの曲です。
みゆはんさんは作中でもスナネコの声優として声優に初挑戦してました。
スナネコの熱しやすく冷めやすいキャラクターとマッチしていてとても良かったです。

個人的には歌詞が大好きです。
この作品にぴったりだと思います。
この曲はけものフレンズのために作られた曲ではなく、
OPと対象的なバラード的な曲を、とリクエストしたところ提案されたものだそうです。
不思議なくらい内容とマッチしてましたね。
EDの絵と相まって、EDの中毒になりそうです。
参考
おわり(泣)「けものフレンズ」福原P絶賛「たつき君、本当にすごいな!」 – エキレビ!(1/5)

単体ではダウンロードでしか買えませんが、
こちらはみゆはんさんのメジャーデビューアルバムの中に収録されています。

ぼくのフレンド
by カエレバ

まだまだ魅力は盛りだくさん

絶対にもっと書けることあると思うんですけど、文字数がいくらあっても足りないのでこの辺でw
独特な内容だったのであんまり積極的に他人に勧めては来なかったのですが、
最終話まで見て、きちんとこの作品を見てよかったと思いました。
話せる人がいたら是非話したいです。

*1:個人的には、他者を否定することがほぼないこの世界でこれらのフレーズを煽りにつかうことはないため、そういった使い方をしているのを見ると首を傾げたくなります。

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