条件を満たしたIT技術者も労働時間規制除外検討


労働時間規制の除外、IT技術者も対象 厚労省検討 :日本経済新聞

どんなことでもそうですけど、メリットとデメリット双方を見て判断する必要があると思います。

否定的な意見ばっかり目立ちますけど、個人的には賛成です。
もちろん、「上記に沿ってきちんとルール適用されるのであれば」です。
特に「本人の同意」と「職務の範囲が明確」という前提があれば、問題はないと思います。
今はそういう働き方をしてない人のほうが多いから想像がつかない方が多いのかなと。

労働時間規制除外したら労働時間が必ずしも増えるわけではなく、
労働時間の自由度が高くなると解釈しています。
そういうケースもあるでしょうけど、もっとメリットに目を向けて、
そういうケースで被るデメリットが少なくなるように整備されていけばいいですね。
今のままのIT業界の下請け構造が間違ってるというのはずっと言われてるし、
そもそもアメリカでは一度崩壊してますからね…。

別にIT技術者全員が対象ではない

一番重要な下記の部分は会員登録しないと見られないので貼っておきます。
普通に記事として公開すればいいのに…。

 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入には、(1)本人の同意、(2)年収1075万円以上、(3)職務の範囲が明確――という3つの条件を満たすことが前提だ。仕事の範囲がはっきりしていれば働き過ぎを防ぎやすい。高収入の専門職は転職の機会も多いとされる。

 一般的な事務職は仕事の範囲があいまいだ。医師や通常の営業職は顧客や患者の都合に合わせて働くことが多い。厚労省はいずれも労働時間の規制が必要と見て、新しい制度の対象としない。

何より重要なのは「IT技術者全員が対象というわけではない」ということですよ。
そこのところに触れてない人が非常に多い印象。
そりゃ、見出しだけ見たらそう思っちゃいますけど…。

問題なのは職務の範囲が不明確な状態であれもこれもと業務を詰め込まれることだと思います。
時間に対して対価を払うスタイルはIT技術者には基本的にマッチしないと思うんですよね…。
正しく制度が適用されれば、エンジニアの地位の向上が期待できます。
仕事に対して割にあわない対価しか出さなければそこには人が集まらなくなるわけで。

あとは、職務ベースの仕事になると、スタイルは海外のものに近くなるかもしれません。
流動性も上がりそうですね。
自分はエンジニアにはそのほうが適していると思っているので、
そうなるのであれば歓迎します。

デメリットとなるのはやっぱり現行の働き方とのギャップによる摩擦だと思いますが、
そうしてでも変わらないとエンジニアの地位はいつまでも低いままだと思いますので…。

2015/02/05追記

はてブのみなさんのコメントを見ていると、
「どうせ適用範囲広げるんだろう!」というコメントが大多数を占めるようです。
なるほど…。

IT技術者に対してこれがきちんと適用されるには、
やっぱり現在の請負契約主流の日本のIT業界の構造を破壊しないとダメな気がします。
根の深い問題ですね…。

時間に縛られる労働集約型の働き方をしたまま時間規制を除外すると、
単に時間の上限を取っ払ってしまうだけになるので、それは確かに問題です。
業務内容によっては労働集約型でいいと思うんですけど、
レベルが上がってくるにつれてそうではなくなってくると思うので、
そのへんをうまくできないもんですかねえ…。

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