失敗を恐れる文化

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この記事を見て、ある程度規模のある会社で陥りがちな閉塞感を思い出しました。

失敗を受け入れない限りイノベーションはない

闇雲に失敗しようという意味ではないです。
既に固まった業務を回していくだけなら、
それは確かに失敗を少なくして効率を上げていくということで間違いないと思います。

ただ、新しい何かを始めたり、既存のものを大きく変えるようなとき、
うまくいかないことを恐れては結局何もできなくなります。

自分の経験上も、小さな変更をするのに必要以上のプロセスを踏み、
とにかく失敗を減らしていく、という文化がありました。
新しいものをどんどん作っていくようなところというよりは、
既存の仕組みを回していくことが重視される環境だったので当然といえば当然ですが、
考えた簡単な改善提案が通らなかったり、
既存の枠組みから漏れた時どうするかを考えた時ものすごく不安になりました。
その結果転職をしました、というのは過去*1書いたとおりです。

記事内から引用すると

 スタートアップ企業は、資金が無くなる前に製品と市場の適合性を見つけないといけないので、時間と資源が限られています。ですからスタートアップ企業は、確実性とスピードをトレードオフし、「今はこれで十分」という決断法を採用し、反復とピボットを繰り返しながら、失敗し、学び、ビジネスモデルを見つけます。

 反対に大企業は、 反復ができて、拡張できるビジネスモデルを「遂行する」恒久的な組織です。

まさにこの辺りではないでしょうか。

ある程度事業が固まると、大きく変更はしないほうにどんどん動いていくんだと思います。*2

新しいことをやるには、失敗が学びになるので、ある意味どんどんトライして失敗をして経験値をためることが求められます*3
だからこそ、失敗を何でもかんでも避けていたら何も経験値を得られず、どんどん危うい状況になっていくわけですね。

新しいことを行う場合と既存のものを回すのでは求められるものが異なる

よく考えてみれば当然なのですが、ここを混同してはいけないな、と。

・既知の市場で、既存の製品の業務執行が「失敗」する
・多くの事項が不明な状況で、イノベーションを探し求めるときに「失敗」する

 このため大企業では、収入や製品出荷、サービスなどの目標を満たさなかった失敗は、個人あるいは組織が既知の成功規範を達成できなかったという、業務執行の失敗になります。大企業では、既知の仕事で繰り返して失敗すると、配置転換になるか、会社を辞めさせられます。

これがまさに、大きな企業で閉塞感を感じる場合の理由ではないでしょうか。
自分の場合はこんな大したことではなくて大分小さなことでしたけれど。

既存のものを守っていく、ということが主になっていると、
失敗はリスクになります。

一方、新しいものを作っていくという観点でいくと、
失敗というのは一つの試行結果で貴重なデータです。
エジソンの言っていた、失敗は成功の母、というやつですね。
失敗ではなく、うまくいかない方法を見つけただけだ、とも言っていたそうですが、
まさにそれに当てはまることではないでしょうか。
発明も、新しいことを作っていくという点では同じですからね。

そもそもどうしてそうなってるのか理解して、どう考えるべきかを決める

自分はどうしてそうなっている*4のかというのを当時はあまり考えなかったのですが、
今にして振り返ってみるとこんなふうに言うことができるんだなと。

それで、色々これまで考えてきて思ったのは、
やっぱり新しいものを作って価値を提供する側になりたい、ということ。

以前は知識も全然なかったし*5何となく枠組みの中で生きていましたが、
失敗することを毎日怖がりながら生きるくらいなら、失敗を許される環境で、
トライ・アンド・エラーしながら生きてたほうが楽しいな、と思いました。*6

うまくいくか行かないかは結果が出なければわかりませんけど、
少なくとも後悔しないようにしたいなと思います。

*1:半年くらい前?

*2:もちろん、そうでないようにしようとしている会社はあります。

*3:もっとも、普通の企業でも「新人のうちは」どんどん失敗しろと言われると思います。

*4:上記のような、閉塞感を感じる理由

*5:今もまだまだですが

*6:前述してますが、闇雲な失敗はダメとして。

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