IT業界への成果主義はどこまでが範囲か


記者の眼 – ベール脱ぐホワイトカラー・エグゼンプション、プロマネを襲う成果主義の御旗:ITpro

もう記事が出てから大分経っちゃいましたが。


条件を満たしたIT技術者も労働時間規制除外検討 – ただひたすら書こうと思った事を書くところ

過去のエントリでネタにした話関連。

書いてある対象どおりなら、労働時間で縛るべきじゃない内容だと思うので、
まあいいんじゃないかなと思います。
労働集約型が適していない仕事に対して的確に適用できるのであれば。
現行制度だと、大した成果がなくても無駄に長時間働いてると給料が上がってしまう問題もあります。

ただ、懸念が山積みなのも確かです。

残業代を払わない口実に使われるおそれ

 PMが新制度の対象になること自体は、一概に悪いとは言えないと思う。彼ら彼女らは、プロジェクトを成功に導くという成果こそが本務だからである。しかし、「金融ディーラー」などと違い、システム開発に従事するPMは多くのステークホルダーに囲まれ、自身の働く時間を自在にコントロールするのは極めて難しいのが実態だ。客観的かつ定量的な成果指標を定めるのも簡単ではない。

 さらに筆者が危惧するのは、新制度が、企業による人件費削減の口実に成り下がってしまうことだ。そうなれば、厚労省が御旗として掲げる「成果主義」は、絵に描いた餅になってしまう。

この辺りですよねえ…。
ただ、
「自身の働く時間を自在にコントロールするのは極めて難しいのが実態だ。」
というのは環境とやり方次第になると思います。

報告書の骨子には、新制度の適用に当たっては本人同意が必要と明記している。分部係長の言うように、卓越した技術力を武器に企業を渡り歩くフリーランスのPMならば問題ないが、そうしたPMは日本ではごく少数。大多数を占めるのは企業に長く所属しているPMだ。企業側から新制度適用の要請があった際に、彼ら彼女らがそれを断り切れるのかは大いに疑問だ。

俺も「本人同意が必要なら、嫌なら断ればいい」と思ってました。
ただ、所属してる会社から新制度適用しろと言われて断ったら評価が下がった、
とか普通に発生しそうで嫌ですね。
もっともそんなところは出て行ってしまえ、と切り捨てることもできますけれど。
でもそういうことはみんなやりたがらないですよねえ。
今は企業に囲い込まれてしまっている人のほうが多いと思うので、
企業から出るという選択をしにくい人も多いかもしれないですね。

制度だけでなく、周辺環境の整備やバックアップが必要

制度だけ見てもダメで、業界の構造そのものを考慮しなければいけないと思います。

組織に囚われない働き方 – ただひたすら書こうと思った事を書くところ

多重下請けは悲しみしか産まない – ただひたすら書こうと思った事を書くところ

その辺の話はこのあたりに書いたような気がする。

そもそも労働集約型の働き方をさせやすい構造になっていて、
それは大きな問題だと思います。
だからこそ現状は時間で縛った制度が普及してるのだろうと思いますね。
新制度を効果的に適用するにはこれまで一般的だった構造を破壊しなければならないのかもしれません。

対象は拡大されるか?

みなさんの意見を眺めると

「どうせ対象が拡大されるんでしょ」

という悲観的な意見の多いこと多いこと…。
でもこれまでの流れを見るとそうも考えたくなりますよね。

ただ、現状のやり方がいいかと言われたら決してそうは思えないのも事実です。
問題は発生し続けるでしょうけど、少しずつでも構造を変化させていくのは必要なことだと俺は思っています。

正しい方向に進んでみんなが幸せになることを願うしかないですね。

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